2020年までに毛皮販売禁止を発表したロサンゼルスの決断
世界中でリアルファー(動物の毛皮)廃止の動きが凄い勢いで加速しています。
世界40以上の団体が「毛皮動物の飼育は禁止」の流れに動いている中、ロサンゼルスは決断しました。
2018年9月18日、ロサンゼルス市議会はリアルファー(動物の毛皮)の販売を禁止することを全会一致で決定!
法案を市議会が承認すれば、2020年までにはロサンゼルスでの毛皮の販売及び製造は禁止になります。
ロサンゼルスが見本となり全米禁止を目標に!
気候から考えると毛皮の必要性はありませんが、ファッションの都市ともいわれ、流行の発信地でもあるロサンゼルスのこの決断は、全米に大きな影響を与えるといわれています。
アメリカで2番目に大きい都市のロサンゼルスの後を続く都市は?
全米が禁止に時代が来るのかはわかりませんが、デザイナーやハイブランドは次々に禁止を発表しています。
販売禁止の対象
使用済みの毛皮製品のみが販売される可能性はあります。
販売禁止は、衣類、ハンドバッグ、靴、帽子、耳あて、宝飾品、キーホルダーなど、全体もしくは部分的に毛皮を用いた服飾製品が対象になります。
ファッションの一部として毛皮のコートやマフラー、アクセサリーを作るのは今の時代に合っていないという意見も。
毛皮を使用しないハイブランド
大手のファッション企業も毛皮を使用しない方針を打ち出しています。
MICHAEL KORS/マイケル・コース
傘下に入ったJimmy Choo/ジミー チュウと共に、2017年12月15日
商品にリアルファー(動物の毛皮)の使用を2018年12月末までに段階的に廃止し、その後使用しないことを発表。
ARMANI GROUP/アルマーニ
2016年秋冬コレクションから、ラビットファーを含む全ての毛皮の使用を廃止することを発表。
GUCCI/グッチ
2018年春夏コレクションから廃止。
さらに、毛皮利用目的での動物殺傷を止めるために活動している”Fur Free Alliance”という国際連盟にも加盟しました。
Burberry/バーバリー
1856年の創業以来、ウサギやキツネ、ミンク、アライグマらの毛皮を使い続けてきましたが、2018年9月に使用禁止を発表。
Versace/ヴェルサーチ
2019年のコレクションからファーが使用禁止。
その他有名ブランド
・Donna Karan/ダナ・キャラン
・John Galliano/ジョン・ガリアーノ
・Ralph Lauren/ラルフローレン
・HUGO BOSS/ヒューゴ・ボス
・FURLA/フルラ
・Tommy Hilfiger/トミー・ヒルフィガー
などまだまだ沢山のブランドが禁止を発表しています。
ポール・マッカートニーさんの娘さんでデザイナーのステラ・マッカートニーさんは、既に2001年からリアルファー(動物の毛皮)をはじめ、本革も使用していません。リアルファーや本革を使わなくても、ファッションには問題がないことを証明し続けています。
ロンドン・コレクションでもリアルファー(動物の毛皮)が禁止になりますから今後も後に続くブランドは増えそうですね。
他の毛皮禁止国や都市は?
国レベルで毛皮農場を禁止しているのはイギリス、ノルウェー、オランダ、ベルギー、オーストリア等のヨーロッパ。
サンフランシスコやサンパウロといった主要都市では、毛皮の販売を禁止。
販売禁止で毛皮業界が混乱か?
雇用に悪影響
毛皮業界は100万人以上を雇用していると言われています。
税収にも影響
毛皮販売業の売上高は世界全体で300億ドル以上あるのだそうです。
宗教的な影響
ユダヤ教徒が被る毛皮の帽子など宗教目的で使用される毛皮製品は例外にするか検討中。
禁止後にロサンゼルス旅行でファーを使用したら?
入国審査で没収される?
ワシントン条約(絶滅の恐れのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)に基づいたものでなければ没収されることはありません。
でも、没収はされなくても、あからさまにリアルファー(動物の毛皮)とわかるようなものは持ち込まないほうがスムーズに入国できそうに思います。
ロサンゼルス国際空港は世界中から沢山の人達が集まる大空港です、入国審査待ちの列にも動物愛護の観点で不要なトラブルに巻き込まれることにもなりかねないかもしれません。
身につけていると何か起こる?
気候がいいといえども冬のロサンゼルスは日本人にとっては寒く感じますから、防寒とファッションを兼ねたリアルファー(動物の毛皮)が付いている洋服を持って行きたくなってしまいます。
特にここ数年は冬になるとファー付きのアイテムも多く、何気に選んだ物にリアルファー(動物の毛皮)が使用されているものもあったりしますから故意でなくとも持って来てしまったこともありえるかもしれません。
気をつけたいのは、動物愛護が進んでいる国には、毛皮反対の人々が沢山いるという点。
大昔は反対を訴えている人達が毛皮を着用している人にペンキをかけたり、生卵やゴミを投げたりというのはよく耳にしましたが、今の時代は犯罪になりそうな行動ですから大丈夫だとは思います。
しかし、運悪く反対派の人達に遭遇してしまったら、説教や嫌みは言われるかもしれませんね。
ロサンゼルスも動物愛護の風潮は強い方だと思いますから、禁止となれば、毛皮やファーを身につけるのはあまり好ましく思われないでしょう。
私はなんとなく世界の流れがリアルファー(動物の毛皮)に対して厳しくなってきていたので、数年前から海外に行く時には気をつけるようにしています。同行者にもリアルファーは絶対に持ってきたり着用しないようにお願いしています。
人によっては露骨に態度や言葉に表したりしてくるので、そんな目に遭うとすぐに心が折れてしまうチキンちゃんなのです。
英語が理解できなくても冷たい視線や居心地の悪さはわかりますから。
何か言われた時には
リアルファー(動物の毛皮)が使用されたものを万が一身につける、持っている時に運悪く反対派の方達に遭遇してしまい何か言われたら。
英語がわからなくても「faux fur!!(フォウファー!!)」と叫んでみましょう。
日本語では人工の毛皮を「fake fur (フェイクファー)」いいますが、英語では「faux fur(フォウファー)」がよく使われます。
おすすめは3連発です↓
「faux fur!!(フォウファー!!)」
「fake fur!!(フェイクファー!!)」
「 This is not the real deal!!(ディス イズ ノット ザ リアル ディール!!)」
人工です!!偽物です!!これは本物じゃないんですっ!!
という感じでなんとかやり過ごしましょう。
2020年までは販売されているの?
9月18日に暫定可決された計画では、禁止は2019年1月に発効し、小売店の在庫処分期間として設けた2020年までの2年間で段階的に施行していくらしいので、毛皮の取り扱いがある販売店はこれから在庫処分のために販売は続けられます。
早く完売するためにセールを行うお店もこれから増えていきそうですね。
アメリカのセールは割引率を思い切るのでものすごく安く販売されるのではないかと想像しますが、販売側も消費者もどうなのでしょうか。
どちらも気持ち良く売買ができるのか気になります。
まとめ
エコ、オーガニック、動物愛護など世界で様々なことが問題視されてくるようになりました。
リアルファー(動物の毛皮)が禁止となると次に来るのは「ダウン」と「フェザー」でしょうか。
この記事の作成で知らなかった事を知るようになり衝撃とショックで複雑な心境です。