旅行前に知っておきたい「エコノミ―クラス症候群」の予防法

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エコノミークラス症候群」って聞いたことがありますか?

飛行機の狭い座席に長時間同じ姿勢で

座ったままでいると発症しやすいことから

この呼び名が一般的に知られるようになりましたが

旅行者血栓症」や「ロングフライト症候群」とも

呼ばれていて、座席のクラスには関係なく

誰もが発症する可能性をもっています。

 

しかし、逆に

発症のメカニズムが明らかになっているため、

十分な注意と対策で防ぐことが可能です。

 

今回は発症の原因をしっかり理解し、

対処する方法についてまとめてみました。

エコノミークラス症候群って何?

Photo by Suhyeon Choi on Unsplash

下肢が圧迫され続けると、足の血液の流れが悪くなり、

静脈の中に血の塊(静脈血栓)ができることがあります。

 

このような足の静脈に血栓ができるのが「深部静脈血栓症」です。

この静脈血栓は歩行などをきっかけに足の血管から離れ、

血液の流れに乗って肺に到着し、肺の動脈を閉塞してしまい、

これを「肺塞栓症」といいます。

 

「深部静脈血栓症」と「肺塞栓症」は連続した病気なので、

正式名は合わせて「静脈血栓塞栓症」と呼ばれています。

 

エコノミ―クラス症候群と聞くと

そんなに大した事がないように思われる

方もありかと思いますが、血栓が大きい場合は、

肺の動脈を完全にふさいでしまって

死につながることもある怖い病気です。

発症は飛行機だけではありません

デスクワーク、新幹線、長時間の乗り物

この病気は飛行機だけではありません。

座りっぱなしとなりがちなデスクワークや

新幹線、長距離バス等にも注意が必要です。

 

車を使った営業職の方も無縁とは言い切れません!

 

5分座っているだけでも血流がたちまち悪化して

30分だと血流速度は70%も低下するそうですから

座り仕事や運転等もエコノミークラス症候群のリスクはあります。

入院や手術

実は「肺塞栓症」を発症する人の半数は入院中らしいです。

入院中は安静のためにベッド上で過ごすことが多くなり、

脚の静脈に対する筋肉のマッサージ効果がないため、

血管が拡張して血流が遅くなって血栓ができやすくなり、

静脈血栓塞栓症のリスクが高くなるらしいです。

 

また手術中は、長い時間同じ体勢をとり続けます。

そして、手術の影響で止血機能が亢進することから、

足の深部の静脈内に血の塊(血栓)が発生して

血液の流れ(血流)を妨げ、静脈血栓症が発生しやすくなるのです。

原因

血栓ができる主な原因は足の血流が悪くなることです。

長時間の足を動かさないから

脚は、立って歩く人間にとって第二の心臓

いわれるくらい重要な役割があります。

歩くことで心臓から送り出された血液を

脚から心臓まで戻します。

それは、脚の筋肉が静脈をマッサージして

血液を押し上げる補助ポンプの機能を果たしているからです。

 

長時間、足を動かさないままでいると、

血液の流れが滞って、血液の塊ができやすくなります。

乾燥

機内や部屋の空調で湿度はたいへん低くなり

場合によっては砂漠より乾燥した状態になります。

 

湿度が5~15%だと、1時間に80ccの水分が体から失われ

このような状態で水分を補給しないと、

血液が濃くなってドロドロになり血栓ができやすくなります。

症状とは

足の血栓による症状

片足が腫れたり、部分的に赤くなるなどの症状が現れます。

また、足に痛みを伴うこともありますが

両足に症状がでることは少なく、片足のみに現れることが多いです。

肺の血栓による症状

足の血栓が肺に到達して肺の血管を塞ぐようになると、

呼吸困難による息切れや胸の痛みなどの症状が現れます。

重症化してくると、冷や汗がでたり、

意識を失ったりするケースもあります。

エコノミークラス症候群になりやすい要因

Photo by rawpixel on Unsplash

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血流が滞れば代謝機能も低下して血中の

糖を取りこんだり脂肪分解がスムーズにいかなくなります。

 

すると、余分な糖や脂肪があふれ出てドロドロ血の状態になってしまいます。

 

2時間座り続けたあとの血液の状態は明らかに血糖値の上昇がみられて

糖代謝にかかわるインスリンが大幅に減るのだそうです。

 

また、じっと座っていると、股関節まわりの

血管やリンパ管が圧迫されて血流を悪化してしまいます。

特に要注意な人

以下の項目が当てはまる方は、飛行機に乗る際に

なるべく座席を通路側にしてもらい、

席を立ちやすくするようにして下さい。

50歳以上の中高年の人

肥 満

過去に大きな手術を受けた人

下肢に骨折

糖尿病・高脂血症・高血圧

下肢静脈血栓を起こした

血液が固まりやすい

経口避妊薬を服用

妊娠中・出産後

激しいスポーツをしている

悪性腫瘍がある

予防法

Photo by tyler gebhart on Unsplash

予防するには、水分をこまめに摂取して

長時間同じ姿勢でいないことが大切です。

足の運動やマッサージ

座ったまま足を動かさない状況が6時間以上継続すると、

発症しやすくなるといわれています。

さらに、10時間以上継続すると、重症化しやすくなります。

 

1~2時間毎に席を立って少し離れたお手洗いに

行くなど、数時間に1回歩くようにすることは効果的です。

 

窓側に座っていてなかなか出にくい時や

体を動かしにくい場合には、つま先やかかとの

上下運動を1時間に3~5分程度行ったり

足首を回したり、ふくらはぎや太ももを

軽くもんでマッサージしてください。

 

血行が悪くなるので足は組まないように

注意しましょう!

適切な水分摂取

水分の不足により脱水の状態になると、

発症しやすくなるといわれています。

 

定期的に水を飲むことは予防につながりますが

このとき、お酒やコーヒーばかり飲んでしまうと、

体内の水分を排出するはたらきがあるため

逆に脱水になってしまう可能性があります。

 

できるだけ、お酒やコーヒーではなく

水を飲むよう心がけてください。

 

1時間ごとにコップ半分ほどの水やイオン飲料は効果的です。

特にイオン飲料は、汗をかいた時などに

水分とともに失われるナトリウムやカリウムなどの

電解質(イオン)が入っていて浸透圧が低めなので、

素早く体に吸収されます。

圧迫ストッキングの着用

足に圧力を与える効果のある弾性靴下や

ストッキングが販売されていますが

着用することで、足の静脈が圧迫されて

血栓ができにくくなる効果が期待できます。

 

圧力の程度は商品によってさまざまですが、

ある程度の圧力がかかるものであれば、予防につながります。

まとめ

個人差はありますが、長時間のフライトで

この病気の症状がでるのは、フライト中(特に後半)から

フライト後一週間以内ということが一般的だそうです。

 

飛行機を降りて何ともないから大丈夫

と思っても家に帰って数日後に発症ということもあります。

そうならない為にも「足を動かす」「水分補給」は忘れずに!

同行者がいる場合はお互いに声を掛けあうなどして防ぎましょう。

 

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